地域によって給与に差はあるのか

介護職の給与は、地域によって差があります。なぜ差があるのかというと、例えば民間の企業が介護施設を運営している場合、企業の経営体力によって報酬が変わってくるからです。都心など人口が多く集中している地域の場合、経営が安定しているだけでなく、新たな事業への投資として介護事業を手掛ける企業などが多く参入しています。さらに、人材確保のため、より高い報酬を提示して人材の確保に努めます。

厚生労働省による調査によると、介護職の年収が最も高いのが東京都で、関東圏が軒並みランキングの高い位置に付けています。東京以外にも神奈川、埼玉、千葉の南関東は賃金が高いことで知られています。他の地域では名古屋、大阪、福岡といった大都市圏が上位にランクインしていますが、これは民間の企業の体力があることに加えて、地方自治体の税収が安定していることも関係しています。

対照的に給与が低いのは過疎化が進む地域です。人口密度の低い地域では、ランキング上位と比較すると、年収で100万円以上の開きがあります。もちろん、地方でも給与が高い地域もありますが、地方はかなり苦戦しているのが実情です。東北では宮城県を除き給与水準が低く、東海、北陸、近畿、中国、九州地方も、人口密度が低い県の給与水準は都心分と比較するとやはり低いです。

それでも、高齢者介護の需要はますます高まっているため、地方でもかつてよりもより高い報酬を提示して介護職を募集している介護施設が徐々に増えてきました。今後、国による交付金の分配が充実すれば、今よりも給与は増加する可能性があります。